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カフェインは心臓に悪くない!どころか不整脈リスクを下げるんだぜ!というメタ分析

 

コーヒーって健康飲料だよなーって話を何度か書いてまして、近ごろは1日3杯ぐらい飲んだ方がいいんじゃない?なんて話もあるぐらい。コーヒー好きにはまことにうれしい状況になってるわけです。

 

 

が、ここで必ず出てくるのがカフェインの問題。「コーヒーは体にいいんだろうけど、カフェインは良くないんじゃない?」みたいな話です。事実、私もカフェインをしばらく断ったら調子が良くなった経験があったり、お医者さんなんかも「カフェインは心臓に良くないからコーヒーは控えなさい!」みたいな指導をするケースも多かったりとか。なかなか悩ましい問題ですな。

 

 

とか思ってたら、「カフェインって実は心臓にいいんじゃないの?」ってデータ(1)が出てまして、あら?そうなの?みたいな感じになっております。

 

 

これはアルフレッド病院の研究で、過去に行われた「カフェインと心臓の健康」に関する研究をまとめたもの。228,465人&115,993人分のデータセットを使ったメタ分析になっていて、かなり科学的な信頼性は高めであります。

 

 

研究者いわく、

 

心臓病の医師は、カフェインが本当に心房細動の原因になるかどうかについて、確たるエビデンスをもとにしているわけではない。

 

とのこと。カフェインが心臓に良くないってのは単なる経験則で、実はハッキリした証拠があるわけじゃないんだ、と。よくある話っすね。

 

 

そもそも、2011年には「カフェインはフリーラジカルを処理する能力も高いんだ!」ってデータ(2)も出てまして、本当に心疾患リスクをあげるのか?ってのは前から言われてたんですよね。

 

 

さて、それではこのメタ分析の結果がどうだったかと言いますと、

 

一般的に、カフェインは不整脈のトリガーだと言われてきた。しかし、多くの場合、これはただの経験談をもとにしたものだ。今回の大量のレビューによれば、それは事実ではない。

 

ってことで、まずはカフェインの悪影響はほぼ完全に否定されたみたい。というか、実はカフェインには良い影響も確認されていて、

 

  • 定期的にカフェインを摂取している人は心房細動のリスクが6〜11%減る!

 

だったらしい。心房細動はいわゆる不整脈のことで、脳梗塞なんかの原因になっちゃうことが知られております。なんでも、カフェインは血液を送り出す筋肉の働きを改善する働きがあって、おかげで不整脈リスクを下げてくれるみたい。こりゃあいい話っすね。

 

 

もちろん、だからといってカフェインの取りすぎはよくないんだけど、今回の試算によると、

 

  • 1日500mgぐらいまでのカフェインなら余裕でセーフ(コーヒー6杯ぐらいですな)

 

ってことなんで、かなりガブ飲みしても問題なし。どころか心臓にも良いみたい。

 

 

といっても、前にも書いた通り、世の中には生まれつきカフェインに弱い人「高カフェイン感受性」の人が一定数いるわけです(私もそうですが)。高カフェイン感受性の人で、なおかつすでに不整脈の疑いがある場合には、それなりに控えておいたほうがいいとのこと。そりゃそうですわな。

 

 

そんなわけで、やはりコーヒーってのは素晴らしいんだろうなぁ、という印象をあらたにしました。まぁ私は高カフェイン感受性の人間なので、あくまでデカフェを中心にしつつ朝に一杯のブラックコーヒーを飲むぐらいがちょうどいいのですが。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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