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1日6時間の瞑想を3カ月やったら、7年がすぎても頭はいいし老化のスピードも下がるし、みたいな実験

Meditation

 

昔からよく書いてるとおり、「瞑想ってどこまで意味があるの?」って問題にはまだ賛否両論があるわけです。なにせマインドフルネスってのは数字で計測しづらい考え方なんで、ちゃんとした実験が難しいんですよねー。

 

 

なので、いまのところは「たぶんメリットはあるんだけど世間で言われるほどハデな効果は期待しないでね!」ってのがだいたいの落としどころ。夢のツールではないものの、とりあえず日々のルーチンに加えておくのはアリじゃないかと思ってたりします。

 

 

そんな状況下ですが、「瞑想の効果は7年たっても出続けるんだ!」ってデータ(1)が出まして、非常にいい感じです。

 

 

これはカリフォルニア大学の研究で60人の男女が対象。全体を2グループに分けて、瞑想をした場合としなかった場合でどんな変化が出るかを調べております。

 

 

というとよくある瞑想研究のようですが、この実験がスタートしたのは2007年。いまもリサーチは続いてまして、他にない長期研究になってるんですな。

 

 

しかも、1回の瞑想トレーニングの分量も大きくて、

 

  • 瞑想の時間は1日6時間
  • しかも専用の施設に3カ月間こもり続ける

 

って感じになってたりします。かなり長期の瞑想リトリートをやったらどうなるかをチェックしたわけですな。

 

 

このほかにも、セルフコンパッションのトレーニングがあったり、リラックス反応を引き出すための呼吸法を訓練したりとか、いろんなメンタル改善法を試した模様。マインドフルネスというか、「瞑想リトリート」の効果を調べた感じですかね。

 

 

で、参加者の変化は、半年後、18ヵ月後、7年後などのポイントでチェック。どんな変化が出たかを見ております。その結果はと言いますと、

 

  • リトリートの直後から注意力が改善:どうも瞑想のおかげで知覚の認識能力があがり、そのおかげで物事へ注意を向けていく力もアップした模様。ちなみに、特定のものに意識を向け続ける能力もあがり、気がそれにくくなったそうな。

 

  • 幸福度も上昇:こちらは注意力の改善よりもハッキリ効果が出てまして、日中の気分や幸福度なんかが高まった模様。

 

  • バイオマーカーも改善:細胞を守る酵素が増えたり、テロメアが長くなったりしたそうな。長寿にも関係がありそうっすな。

 

  • しかも、これらの効果は7年後も続いていた。

 

だったらしい。頭が良くなって幸せになったうえに実際に長寿の指標も改善し、それが7年後まで続いたという、なんとも凄い話であります。

 

 

研究者いわく、

 

7年のフォローアップ後も、被験者のセルフコントロール能力に有意な変化はなかった。そして、その他のメリットも、トレーニングの終了直後から半分までしか下がらなかった。

 

さらには、トレーニング後も瞑想を続けた者は、加齢にともなう認知機能の低下もやわらいでいた。瞑想により多く取り組んだ者ほど、年を取っても脳が衰えなかったのだ。

 

とのこと。リトリートの後も瞑想を続けた参加者は、平均で1日1時間ずつのトレーニングを行ったらしい。これぐらいやれば、年を取っても脳がシャープでいられるのかもしれないんだ、と。

 

今回の実験は、深くて長いタイプの瞑想トレーニングにより、長期的に注意力とセルフコントロール能力がアップすることを明らかにした。これは従来の研究のなかでも初めてのことだ。

 

しかも、この効果には、老化にともなって起きる認知機能の低下を防ぐポテンシャルも持っている。

 

ってことなんですが、まぁ1日6時間の瞑想を3カ月やれるような状況を作るのって、現代人にはほぼ不可能ですからねぇ。いずれそれぐらいの余裕が作れるような人生設計をしておきたいなぁ……。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。