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クリームの成分「MGFM」で血管が健康に?みたいな実験

Milk

クリームでコレステロールが改善?

クリームでコレステロールが改善したよ!」っておもしろい実験(1)があったんでメモ。

 

 

これはスウェーデンの大学病院が行なった実験で、46人の男女を2つのグループにわけております。

 

  1. クリーム派:1日40gのクリームを食べる
  2. バター派:1日40gのバターを食べる

 

そのまま8週間過ごしてもらって、様子を見たんだそうな。

 



クリームのMGFMが意外とすごそう

 

なんでこんな実験をしたかというと、昔から「乳脂肪って意外とすごいかも?」って話が昔からあったからであります。乳脂肪のまわりには「MFGM」って膜がありまして、こいつに健康効果があるんじゃないかと言われてきたんですよ。

 

 

たとえば当ブログで取り上げた話では、「乳脂肪で筋力が上がるかも?」なんて説があったりして、なんだかおもしろそうなムードが漂ってるんですな。なんか意外な話ですが。

 

 

で、このMFGMってのはクリームに多んだけど、バターにはほぼ入っておりません。バターは精製の家庭でMFGMを取り除いちゃうので、ならばクリームのほうがすごいメリットがあるんじゃないか、と考えたわけです。

 

 

クリームでコレステロールをコントロールする遺伝子に変化が?

さて、実験の結果がどうだったかというと、

 

  • 悪玉コレステロールはクリームの圧勝(+0.36 mmol/L vs. +0.04 mmol/L)
  • 総コレステロールもクリーム勝利(+0.30 mmol/L vs. -0.04 mmol/L.)
  • 善玉コレステロール、中性脂肪には差がなし!

 

だったそうな。やっぱバターは血中の脂質にはあんま良くないんだけど、その悪影響がクリームでは起きないみたい。

 

 

また、もうひとつ面白いのが、

 

  • クリームで遺伝子の発現が変わった!

 

って結果も出てるところでしょうね。なんでも、クリームを取ったグループは19種の遺伝子の発現が変わってたらしいんですよ。

 

 

残念ながら、まだそれぞれの遺伝子の働きはわかってないものの、おそらくいくつかは脂質をコントロールする働きがあるのではないか?と考えられております。事実、いくつかの遺伝子の発現はコレステロールの低下と関係が出てたりもします。クリームで遺伝子の影響まで変わるってのはおもしろいもんですな。

 

 

まとめ

というわけで、MFGMはやっぱ見どころがありそうだなーとか思うわけですが、いくつか注意点もありまして、

 

  • MFGMの研究には食い違いも多い。過去のデータでは、MFGMで効果が見られなかったとするものも多い。

 

  • 実験で使われてるクリームの量が多い。1日40gのクリームってのは、スウェーデンの平均を10g上回るレベルだそうです。これは、普通に真似するのは危険な感じ。

 

といったところ。MFGMはまだ研究例が少ないもんで、いろいろ食い違うデータも多いんですよね。なので、MFGMの真価はまだこれからってことで。

 

 

今の時点で「試してみたい!」という方は、とりあえず全乳のミルクを1日コップ2杯ぐらい飲むところからスタートしてみればいいんじゃないかと思います。牛乳に関しては「危険だ!」とか「体にいい!」とかいろんな議論がありますが、そのへんが心配な方は当ブログの牛乳エントリなどをご参照いただければ幸いでーす。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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