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太った人にはカテキンのダイエット効果って出にくいんじゃないの?説

Tea 

ボディメイクに欠かせないカテキンと褐色脂肪の話 

当ブログでは、よく「カテキン」と「褐色脂肪」の話が出てきます。

 

 

カテキンはお茶にふくまれるポリフェノールで、ダイエットの効果が高め。具体的には、

 

 

といった話が有名なところです。

 

 

もうひとつの褐色脂肪はエネルギー消費が大きい細胞のこと。俗に「痩せる脂肪」とも呼ばれてまして、寒さに反応して活動が増えることがわかっております。具体的には、

 

 

みたいなデータをご参照あれ。

 



寒い部屋+カテキンで代謝をブースト

ってところで新しく出た論文(1)では、「褐色脂肪とカテキンを組み合わせたら凄いんじゃない?」ってアイデアを検証していておもしろかったです。

 

 

これは花王の実験で、健康な男性15人が対象。みんなBMIが21ぐらいで似たような体型ですが、それぞれの体質には大きな違いがありまして、

 

  • 9人はもとから褐色脂肪の働きが良い(=痩せやすい体)
  • 6人はもとから褐色脂肪の働きが悪い(=痩せにくいい体)

 

って感じになっております。そのうえで、褐色脂肪の働きよって全体を2つにわけたんですね。

 

  1. 19℃の部屋に2時間ほど入ったあと、1日に615mgの茶カテキンと77mgのカフェインを飲む
  2. 19℃の部屋に2時間ほど入ったあと、82mgのカフェインだけが入ったプラシーボのカプセルを飲む

 

つまり、寒い部屋に入って褐色脂肪を刺激して、さらにカテキン+カフェインでブーストをかけたわけですな。

 

 

太った人ほどカテキンが効かない悲劇

で、5週間後に何がわかったかというと、 

 

  • もとから痩せやすい体の人は、寒い部屋+カテキン+カフェインでしっかり消費カロリーが増える!(mean ± SEM: +15.24 ± 1.48 kcal)
  • が、もとから痩せにくい体の人は、寒い部屋+カテキン+カフェインでもたいして消費カロリーは増えない!(mean ± SEM: +3.42 ± 2.68 kcal)

 

みたいな感じ。もちろん褐色脂肪の働きが悪い人にも良い変化は出てるものの、もとから痩せやすい人にくらべると段違いで効果は低かったみたい。

 

 

ここで困っちゃうのが、太ってる人ってのは、ほぼ確実に褐色脂肪の働きが悪いことがわかってるとこでしょう(2)。つまり、もっともカテキンのパワーを必要とする人ほど、実はカテキンの効果が出にくいという罠であります。うーん、切ない。

 

 

太った人はカテキン+エクササイズで

が、いっぽうでは希望もありまして、エクササイズ(特に筋トレ)をすれば、太った人でも褐色脂肪の働きが良くなるってデータ(3)もあったりします。過去には「カテキン+HIITの組み合わせで過体重な人の体脂肪が激しく減った!」なんて話もありましたしね。

 

 

要するに、ここから得られる教訓としては、

 

  • 太った人は、まず別の方法で痩せてからカテキンを飲むか、必ず運動と組み合わせるべし

 

 って感じでしょうか。私は寒いのが苦手なので、今後も緑茶+運動の組み合わせでいくつもり。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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