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バケーションは素晴らしい。しかし、瞑想合宿はもっと素晴らしい

Vacation 

 リトリートの効果を示すナイスなデータ

こないだ「リトリートはいいよー」って話を書きました。

 

 

軽くおさらいすると、「リトリート」ってのは専門の施設にこもって1週間ぐらい瞑想をしまくること。瞑想の合宿みたいなもんですな。

 

 

その効果については少しずつ検証が進んでまして、上記のエントリでも2016年論文(1)を紹介しております。このデータがなかなか凄いんですな。

 

 



リトリートとバケーションの効果をくらべた

これはカリフォルニア大学の実験で、91人の女性を対象にしたもの。そのうち64人は瞑想ビギナーで、年齢は30〜60才だったとのこと。

 

 

で、実験では参加者を2つのグループにわけたんですよ。

 

  1. 6日間のリトリート
  2. 南カリフォルニアのリゾートで6日過ごす

 

リトリートの内容は 、12時間の呼吸瞑想9時間のヨガなどで構成されていた模様。たんなるバケーションとリトリートの効果の差をチェックしたわけですね。

 

 

バケーションの効果は長続きしない

そして6日後、みんなのストレス度を調べたたところ、

 

  • どちらのグループも同じぐらいストレスが減り、気分の落ち込みも50%ほど回復していた
  • ところが10カ月後の再検査では、バケーショングループのストレスは元のレベルにもどってしまった
  • リトリートグループは10カ月後も気分が改善したままだった

 

って結果だったんですね。なんでも、バケーションのストレス解消効果は1カ月後ぐらいから激減し、結局はもとにもどっちゃうみたい。

 

 

そのいっぽうで6日ほど徹底的に瞑想をした場合は、長期にわたってストレスが下がったままに。それも、臨床で使えるレベルの改善をみせております。素晴らしい成果ですなぁ。

 

 

リトリートで老化がゆるやかに?

さらにこの実験では血液検査もやってまして、この結果がまたおもしろい。具体的には、

 

  • すべてのグループで、ストレス反応をつかさどる遺伝子のスイッチがオフになった(FOXO3)
  • リトリートをしたグループは、さらに体内の免疫システムのスイッチがオンになった
  • ついでに血中のAβ40レベルが下がった。Aβ40が多い人は、ボケや早死にが起きやすいことがわかっている。
  • 特に定期的に瞑想をしてきた人がリトリートをすると、免疫細胞のテロメラーゼが増えた(=寿命が延びた…かも)

 

みたいな感じでして、瞑想をしたグループは、老化にかかわるバイオマーカーに良い変化が出ております。これが実際にアンチエイジングに結びつくかはわからないものの、個人的にはリトリート熱に火がつきましたね(笑)

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。