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甘酒が美容と健康に効くとはとても思えない件

Amazake

 

甘酒に関するご質問をいただきました。

 

最近甘酒を勧められ、気になっています。麹のみで砂糖やアルコールが入っていないタイプの物もあるようですが、高い糖質に勝るメリットはあるのか分からず手が出せません。

 

とのこと。確かに甘酒は流行ってるみたいですねー。

 

 

ってことで、ざっくりネットで甘酒の効能を調べてみたところ、

 

  1. 病院の点滴と同じぐらい栄養価が高い!
  2. 100種類の酵素でダイエットに!
  3. 必須アミノ酸がすごい!
  4. 食物繊維でお腹の調子が改善!
  5. コウジ酸で美白効果が!

 

みたいな主張が代表的っぽいですね。甘酒の成分については「日本食品標準成分表」(1)にまとまってますんで、これをベースにいろいろ見てみましょう。

 



 

1.「甘酒は飲む点滴である」問題

「甘酒は病院の点滴に成分が近い!つまり体にいい!」って話ですけど、この主張の問題は、そもそも別に点滴の栄養価が高いわけじゃないとこでしょうね。

 

 

基本的に、点滴ってのは病気中の脱水を防ぐ目的がメイン。腸炎なんかで「何も食べられない!」って人が使うものであって、一般人の栄養補給に役立つアイテムじゃないんですよ。

 

 

確かに甘酒の構成は「点滴にそこそこ似てるなぁ」って感じですが、「だから?」ってのが正直なところであります。最初に「飲む点滴」ってフレーズを考えた人のセンスは凄いと思いますが。

 

 

ちなみに、甘酒のビタミンやミネラルをみてみるとこんな感じ(100gあたり)。

 

  • カロリー 81kcal
  • タンパク質 1.7g
  • チアミン 0.01 mg
  • リボフラビン 0.03 mg
  • ナイアシン 0.2 mg 
  • ビタミンB6 0.02 mg 
  • カリウム 14 mg 
  • マグネシウム 5 mg
  • 亜鉛 0.3 mg

 

これに対して、たとえば卵はこんな感じ(100gあたり)。

 

  • カロリー 162kcal
  • タンパク質 12.3g
  • チアミン 0.08 mg
  • リボフラビン 0.48 mg
  • ナイアシン 0.1 mg 
  • ビタミンB6 0.12 mg 
  • カリウム 120 mg 
  • マグネシウム 10 mg
  • 亜鉛 1.4 mg

 

このへんは好みですけど、私だったら甘酒を飲むなら卵を食べちゃうかなぁ。

 

2.「甘酒は酵素がたっぷり!」問題

続いて、甘酒にはダイエットに役立つ酵素が入ってるよ!みたいな話について。

 

 

こちらの問題点については、前に「なぜ酵素ドリンクにお金を払ってはいけないのか?」で書いたことと同じです。要するに、

 

  1. 酵素はタンパク質でできている
  2. タンパク質で胃で溶けてアミノ酸になる
  3. 甘酒の酵素もアミノ酸に分解される
  4. 無意味!

 

みたいな流れになっております。うーん、せつない。

 

 

3.「甘酒は必須アミノ酸がたっぷり!」問題

「甘酒はアミノ酸たっぷり!」って話もよく見かけました。確かに甘酒には必須アミノ酸が入ってるようなんですが、なんせ100gあたりのタンパク質量が1.7gなんで、たかが知れてると言いますか。

 

 

それに、甘酒の原料になるお米のアミノ酸スコア(必須アミノ酸のバランス)は65ですからねぇ。しかもお米のプロテインは消化吸収率も悪く、果たして甘酒のアミノ酸がどれだけ体で使われるかは不明。

 

 

 ってことで私だったら、甘酒分のカロリーを増やすぐらいならやっぱり卵を食べますかねぇ。アミノ酸スコアも100ですし。

 

 

4.「甘酒は食物繊維がたっぷり!」問題

「甘酒は食物繊維が多いのでお通じの改善にも!」という主張もメジャーなようなんですが、「日本食品標準成分表」(1)によれば100gあたりの分量は、

 

  • 水溶性食物繊維 0.1 g 
  • 不溶性食物繊維 0.3 g

 

 とのこと。試しに他の飲料とくらべてみますと、

 

  • ココア 水溶性6g 不溶性18g
  • 緑茶 水溶性3g 
  • 豆乳 水溶性0.2g

 

といった感じ(すべて100gあたり)。とくに甘酒が目立ってすごいってことはないかなぁ、と。個人的には、ココアだと一杯分(4グラムぐらい)でも1gの食物繊維が摂れるし、ポリフェノールは豊富だし、カロリーは10kcalぐらいだしで、こっちのほうを選びますかねぇ。

 

 

5.「甘酒に美白効果が!」問題

甘酒にはコウジ酸って成分が入っております。コウジ酸はメラニンの生成をおさえる働きがあり、肝斑とかに効くと言われてるんですね。

 

 

実際、研究データもそこそこありまして、2013年の実験(2)では60人の女性にコウジ酸クリーム(0.75%)を12週間使ってもらったところ、ハイドロキノンほどじゃないものの肝斑の減少がみられたとか。

 

 

が、これはあくまでお肌に塗ったときの話。コウジ酸をいくら飲んだところで、美肌になるってデータはないんですよね。

 

 

さらに2003年の薬事・食品衛生審議会(3)によれば、

 

製麹時にコウジ酸が産生されたとしても醸造中に微生物、酵素などの影響により分解されるため、最終製品中にコウジ酸が残存する可能性は少ない

 

とのこと。そもそも本当に甘酒にコウジ酸が入ってるのかもかなーり疑問だったりします。

 

 

6.なぜここまで甘酒が持ち上げられたか問題

いろいろと甘酒をディスってみましたが、もともと発酵したお米を水で薄めた飲み物なんで、そんなに栄養価が高いはずはないんですよね。

 

 

にも関わらず「甘酒すごい!」って話が根強いのは、おそらく森永製菓さんががんばってるからではないかと。たとえば、

 

  • 甘酒で目の下のクマが消えた!(2015年,4)
  • 甘酒でマウスの腸環境が改善!(2016年,5)
  • 甘酒でニキビが改善!(2016年,6)

 

みたいな感じ。毎年のように何らかのプレスリリースを出してるんですよね。

 

 

ただ、これに関しては、

 

  • 査読論文ではない(他の専門家のチェックを受けてない)
  • 大半はマウスの実験がメイン
  • ヒトを対象にした場合は参加者が少ない(17人ぐらい)

 

って問題がありまして、正直「よくわからん」としか言いようがないところです。

 

 

 

まとめ

そんなわけで以上の話をまとめると、

 

  • 別に甘酒は栄養豊富なわけではない
  • 甘酒の機能を調べた研究はほとんどない

 

って感じです。くり返しになりますが、私だったら甘酒を飲むなら卵を食べるかココアを飲みますね。

 

 

もしかしたら、今後「甘酒のエルゴチオネインに凄いアンチエイジング効果が!」みたいな話が出てくるのかもですが、なかなか難しいでしょうねぇ。


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41才のプロパレオダイエッター/編集者/ライター/NASM®公認パーソナルトレーナー。国内外の学術論文を読み漁るのが好きな人。パレオダイエットの本を書きました(http://amzn.to/2ogEBmC)。