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力を抜いてラクに生きるための「セルフアクセプタンス」名言&瞑想セラピー

Cat

 

自分を受け入れればメンタルが安定する 

ここ数年、「自分を受け入れるのが大事だ!」 なんて説をよく聞きます。俗に「セルフアクセプタンス」などと呼ばれてますね。

 

 

「セルフアクセプタンス」が重要な理由は、いまの自分を受け入れずに過去や未来にこだわると、嫌なことが頭のなかで増幅されていき、うつや不安につながってしまうから。専門的には「反すう思考」などと呼ばれております。セルフアクセプタンスの効果は過去の実験でも確認されてまして、自分の受け入れ度が高い人ほどメンタルが安定しやすいんですな。

 

 

ただし、「自分を受け入れろ!」と言われても、そんな急にはできないのが人情。わたしも「どうやって鍛えるのがいいのかなー」などと思っておりました。

 

 

といったところで参考になったのが、ノースウェスタン大学の実験(1)。50名の参加者にセルフアクセプタンスのトレーニングを行ったところ、

 

  • ストレスによる食べ過ぎが別グループにくらべて60%減少!
  • ムダな買い物が別グループにくらべて50%減少!

 

みたいな結果が出たらしい。自分を受け入れることで、セルフコントロールが効くようになったわけですね。

 

 

言うまでもなく、「セルフコントロール」は人生の幸福レベルを左右する重要な要素のひとつ。「がまん強い人ほど長生き」なんてデータもありまして、積極的に高めていきたいところです。

 



 

Let Go精神を鍛えるための名言セラピー

さて、この研究でセルフアクセプタンスに欠かせない要素としてあがっているのが「Let goの精神であります。日本語に翻訳するが難しい言葉ですが、論文の定義はこんな感じ。

 

「let go」とは、その瞬間に起きる物事をそのままに認識することだ。うれしいこともツラいことも、起きるままにまかせることだ。

 

とのことで、だいぶマインドフルネスに近いですね。なんでも、実験では「Let go精神」を参加者に植え付けるトレーニングを行ったんだそうな。

 

 

といっても難しいことではなく、具体的には「Let go」にまつわる名言を読むだけで十分に効果はあるらしい。実験で使われたのは以下のフレーズであります。

 

  • 「しがみつくことが私たちを強くすると考える者もいるが 時には手放すことが私たちを強くするのだ」ヘルマン・ヘッセ
  • 「手放すことは、相手に愛を伝える手段のひとつである」作者不明
  • 「わたしたちは、先に死んだ者たちのことを決して忘れたがらない。しかし、心に留めておいてほしい。忘却は世界の終わりではない。新しい人生の始まりなのだ」作者不明
  • 「誰かへの怒りにこだわることは、その嫌いな相手が、あなたの頭に住み着く権利を無料であたえたのと同じだ」アン・ランダース
  • 「わたしたちが本当に練習すべきことはひとつだけ。お互いの存在を手放すことだ。しがみつくことは誰にでもできる。そんなことは学ばなくてもいい」リルケ
  • 「ひと呼吸ごとに受容と解放のチャンスがおとずれる。愛情を受け入れ、痛みを解放する」ブレンダ・マッキンタイヤ
  • 「ときどき、自分がしがみついているものに本当の価値があるのか確かめ、手放さねばならない」作者不明
  • 「わたしたちは、計画した人生をあきらめる意志を持たねばならない。未来に待ち受ける人生を受け入れるために」ジョセフ・キャンベル
  • 「老子は『自分を手放すと、自分になれる』とおっしゃいました。わたしは、自分の持ち物を手放したとき、必要なものがて手に入りました。もがくのを止めたときに理想の仕事やパートナーが見つかったことは?これが手放すことのパラドックスです。達成するために手放すのです」メアリー・マニン・モリッシー
  • 「自分が何者であるかにこだわらなければ、自分になれるだろう」老子

 

とにかく「こだわりを捨てよ!」みたいな言葉がならんでますね。 これで効果があるんだったら、仏教系の名著を読みまくればかなりいいんじゃないでしょうか。「手放す生き方 」とか「無常の教え」とか。

 

 

 

Let Go精神を鍛える1分瞑想ガイダンス

また、この実験では「Let go精神」を育てるためのガイド瞑想も行われております。具体的な指示はこんな感じ。

 

リラックスして目を閉じて、1分間だけ時間を取りましょう。

 

自分が川のそばに立っているところを想像してください。あなたは、いま川の流れを見ています。水のなかに魚が泳ぎ、川沿いにはユリの花が咲いています。

 

そこへ、小さなボートがただよってきました。そのボートに「いま自分がこだわっているもの」を乗せて、ゆっくりと川下へ押してやりましょう。

 

『手放すことが私たちを強くする』

『自分を手放すと、自分になれる』

 

さて、こだわりを手放すのはどんな気分ですか?

 

認知行動療法で使われる「川と葉っぱのイメージ訓練」によく似てますね。データを見ると、名言を読むだけよりも瞑想のほうが良い成績が出てるみたい。

 

 

というわけで、日常的には東洋思想にふれて「Let go精神」を思い出しつつ、時間をみては瞑想にはげむのがよさげ。確かに定期的に「莊子」とか読まないと、なんか体がガチガチになっちゃうんすよね…。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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