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IQやEQと同じぐらい大事な「CQ(好奇心指数)」のお話

Curiosity

昨年に読んだ本の5位に選んだ「自信(Confidence)」の著者、トマス・チャモロ=プレミュージック博士が、「確かにIQやEQは大事だけど、CQもかなり重要なんじゃない?」ってなオモシロ論説をハーバードビジネスレビューに寄せておりました(1)。





そもそもCQとは?

耳慣れない言葉ですが、CQは「好奇心指数」のことで、知識欲が高くて新しいものにすぐ飛びつける能力のこと。博士の説明によると、

CQが高い人は好奇心が旺盛で、新しい体験への親和性が高い。目新しいものに興奮しやすい一方で、決まったルーチンにはすぐ飽きてしまう。独創的なアイデアを思いつくが、反体制的になりやすい。


って感じ。アイデアマンにありがちなタイプですね。


CQについては、まだIQやEQほどリサーチは進んでないものの実証データはありまして、以下の2点においてとても大事なんだそうな。

  1. 白黒はっきりしない状態に耐えられる:この世は複雑なので、たいていの問題にはハッキリした結論など出ないもの。そこで安易に結論に飛びつかず、ねばり強く近い答えを探し続けられるため、結果として成功にたどりつきやすいんだ、と。
  2. 知識の入手への投資を惜しまない:なにせ知識欲が高いもんで、必要な情報のためには金と時間をガンガン使っちゃう。そのため、いろんな領域の知識が増えていくんだそうな。


どちらも非常に納得であります。


CQはトレーニングで高められる

ここで、いったんそれぞれの能力をまとめると、

  • IQ:抽象的な情報を処理できる能力。知性。
  • EQ:自己や他者の感情を理解し、自分の感情をコントロールする能力。共感力。
  • CQ:知識を求めて新しい経験にオープンになれる能力。好奇心。


といったところ。この3つの能力が均等に高いほうが良いそうで、いわば

  1. 知性で問題を理解し、
  2. 好奇心で解決策を編み出し、
  3. 共感力で対策を実行する 


ってイメージでしょうか。ちなみに、博士いわく、残念ながらIQは一生を通じて変わりにくいんですが、CQは高めていけるとのこと。ポイントは自分の「退屈」にちゃんと気づくことで、この感情をアンカーにして、すぐに新たな知識や体験を探すよう心がけるのがコツらしい。


要は「退屈」を悪いものだとは考えず、あくまで自分の「好奇心レベル」を計るメーターとしてとらえればOKってことで、ちょっと前に紹介した「感情なんてただの『ツール』だ!」って話に近いものがありますね。



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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。