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気分が沈んだ人は分析力が高まり、気分が良い人は創造性が高まる

Th negative

 

いま「あなたの悪いところの良いところ(The Upside of Your Dark Side)」って本を読んでおります。「怒り」や「不安」といったネガティブな感情は人生に役立つので、いたずらに避けちゃダメだよーと主張する一冊でして、なかなか楽しゅうございます。

 



 

 

なかでも「へー」と思ったのがクイーンズ大学の研究(1)で、沈んだ気分のときほど人間は細部への注意力が高まり、ものごとを細かく分析できるようになるんだそうな。

 

 

他にも、悲しい気分のときほど他人のウソに騙されにくくなったり(2)、空間認知機能が高まったり(3)とか、全体的にブルーな気分のときのほうが分析力は高まるみたい。逆に、ポジティブなムードの人は、大きな観点からものごとを見る能力が高まるんで、自然と創造性がアップする傾向があるんだとか。

 

 

つまり、わたしのような編集業の場合は、

 

  • 企画の段階ではポジティブな気分で考える
  • 製作の段階ではネガティブな気分で進行する

 

のが有効だってことですかね。もっと一般的な原則に落としこむなら「長期的にはポジティブに考えて、短期的にはネガティブに考える」と、両方の感情を上手く使うことができるのかも。

 

 

そんなわけで、嫌な感情にも役立つ機能はあるわけですが、この効果が行き過ぎると「木を見て森を見ず」につながっちゃうし、慢性的にネガティブだと海馬(脳の記憶を司る部分)が縮んじゃうってデータ(4)もありまして、いずれにせよ常に同じ気分でいるのはよくないってことかなーと思います。

 

credit: Sol Vazquez Cantero via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。