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繊細な人がネガティブな感情に打ち勝つ技術「シチュエーション・セレクション」とは?

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ネガティブな感情に負けそうになったらシチュエーション・セレクションだ!」って話(1)がおもしろったんでメモ。

 

 

これはシェフィールド大学の論文で、「なんか嫌なことがあってもメンタルがタフな人は何が違うのか?」を調べた研究になっております。いわゆるレジリエンスが高い人の特徴を調べたわけっすな。

 

 

最初の実験は301人の男女が対象で、普段から「シチュエーション・セレクションを使ってるかどうか?」をチェック。その上で、ネガティブな気分やうつ症状との相関を見たところ、「シチュエーション・セレクション」を使うとかなりネガティブな感情に強くなることがわかったらしい。



 

「シチュエーション・セレクション」ってのはすごくシンプルな戦略で、ざっくり言うと「嫌なことがあったら、もっと楽しいことを計画する」ってことです。「もっと気分が良くなる活動をする!」とか「嫌な気分にさせる人から離れる!」とか、意識してプランを立てていくようなイメージですね。うわー、普通。

 

 

ただ、これが普通の考え方なのは事実ですが、「シチュエーション・セレクション」を実践できている人が意外と少ないのも事実。この研究でも、だいたい半数以上は「そのまま感情をこらえる」やら「ネガティブから意識をそらそうと頑張る」やら「他人のアドバイスに受け身で従う」と答えるケースが多かったそうな。

 

 

なかでも、もともと感情的に敏感な人ほど、いざ嫌な気分になったときに「シチュエーション・セレクション」を忘れがちって傾向も出てたりします。感情の波が激しい分だけネガティブな状況で視野が狭くなって、つい「プランB」の存在が抜け落ちちゃうらしい。いかにもありそうな話ですな。

 

 

が、この論文では、「大事なときにシチュエーション・セレクションを忘れちゃう問題」を解決する方法も調査しております。2つめの実験は125人の男女が対象で、そのうち半数には以下のフレーズを3回だけ唱えてもらったそうな。

 

もし嫌な状況になったら、私は自分の気分が良くなるような活動を選ぶか、または気分を悪くするような活動を避ける!

 

ってことで、毎度おなじみ「if-thenプランニング」の手法を使って、いざという時にプランBを実行できるようにセットしておいたみたい。

 

 

非常にシンプルな介入なんですけど、これがなかなかの成績を出してたりします。「シチュエーション・セレクション」を設定したグループほどポジティブなムードが高まり、その影響が週末を過ぎてもしばらく続いたんだそうな。当然ながら、この効果は感情的に敏感な人ほど高かったとのこと。

 

 

ってことで、非常に当たり前の考え方ではありますが、言われてみれば忘れがちなポイントかもですな。まぁだいたいの問題って当たり前のことをし忘れた時に起きるんで、「シチュエーション・セレクション」も心の隅に置いとくと良さげ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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