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よく噛んで食べると免疫システムが改善!するかも

Chewing

 

よく噛んで食べるのが体にいいのは間違いない

よく噛んで食べる」のが体にいいのは間違いないところ。栄養の吸収率が高くなるのはもちろん、実際によく噛んで食べる人ほど肥満率が低いなんてデータもあるんですよね。私は基本的に早食いなので、ちょっと直していきたいポイントであります。

 

 

で、新たに出た論文(1)では、「よく噛んで食べると免疫が改善!」って話になってておもしろかったです。

 

 



 

よく噛むと口の免疫細胞が活性化する

これはマンチェスター大学の研究で、マウスたちに硬さの違うエサを与えて、どんな違いが出るかをチェックしたもの。すると、

 

  • 硬いエサを与えられたマウスほどTh17が増加!

 

って結果だったんですな。Th17ってのは免疫細胞の一種で、悪い菌から体を守る働きをしております。

 

肌や口、腸などの免疫システムは、バクテリアのバランスを保つ大事な働きをしている。体に良いバクテリアを保ついっぽうで、有害な病原菌には戦いを挑むのだ。

 

が、肌や腸とは違って、口の免疫システムは、Th17細胞を刺激するために別の方法を使っているらしい。すなわち「咀嚼」だ。

 

とのこと。口内には、独自の免疫活性システムが備わっているわけですな。

 

 

細菌感染を防ぐためにも咀嚼が大事

どういう事かというと、

 

  • 肌や腸=良い細菌がTh17を起動させる
  • =よく噛むことでTh17が起動する

 

って違いがあるみたいな感じ。もちろん動物実験の段階ではありますが、このへんの仕組みはヒトも近いので、細菌感染を防ぐためにもよく噛んだほうがよさげ。

 

 

口内の炎症は全身のダメージにもつながる

もっとも、この研究では「噛みすぎ」もよくないよ!ってとこにも触れてるのがおもしろいところ。

 

咀嚼のしすぎは、歯周炎や骨量の低下をもたらす可能性もある。口内の炎症は全身疾患の悪化につながり得るため、特定の組織の免疫システムを理解するのは非常に大事だ。

 

噛みすぎのせいで口にダメージが起き、その炎症が全身につながっていく可能性もあるんだ、と。

 

 

まぁ現代では柔らかい食べ物のほうが多いんで、そこまで「噛みすぎの害」を心配しなくてもよさそうですけど、口の免疫システムの大事さは知っとくといいかも。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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