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ネガティブな人には「親切」が最高のライフハックかもよ

Kineness

 

プロソーシャルのメンタル改善効果を調べた

ネガティブな人ほど他人に親切にすべし!」みたいな論文(1)がおもしろかったんでメモ。

 

 

これはフローニンゲン大学の実験で、533人の男女を対象にしたもの。全員に1日3回ずつ日記をつけてもらって、

 

  1. 過去6時間のあいだにプロソーシャルな行動をしたか?
  2. その行動によって気分はどう変わったか?

 

を30日間にわたって記録し続けるように指示したんだそうな。プロソーシャルは日本語だと「向社会的」と訳されまして、ざっくり言えば「なんの見返りも求めずに他人のために役立つこと」みたいな感じです。「反社会的」の真逆ですね。

 

 



親切な行為が親切を呼ぶ

で、日記にくわえて全員の性格もチェックして、

 

  • 神経症傾向
  • 外向性
  • 社交スキル
  • 外的な報酬に弱いかどうか

 

などを調べたみたい。自分の神経症傾向などを知りたい方は、「5分で自分の正しい性格を把握する『簡易版ビッグファイブテスト』」などをどーぞ。

 

 

それで何がわかったかと言いますと、まず最初のポイントとしては、

 

  • 過去6時間のあいだにプロソーシャルな行動を取ると、次の6時間もさらにプロソーシャルな行動を取る傾向が高まる

 

って感じ。要は「親切が親切を呼ぶ」って話ですね。これは当然でしょうな。 

 

 

ネガティブな人ほど親切のメリットが大きい

さらに個人的におもしろかったのが、

 

  • 神経症傾向が高い人はプロソーシャルな行動をあんま取らないが、いったん他人に親切にしたときのメンタル改善効果がハンパない

 

って結果が出てたとこでしょうね。普段から外向的な人よりも、不安を感じやすい人のほうがプロソーシャルのメリットが大きかったみたい。

 

 

こういった現象が起きる理由はよくわかりませんが、

 

  • 神経症傾向の人は感覚が敏感なので、ポジティブなムードの影響も受けやすい
  • 神経症傾向だと不安が強いぶんだけムードの改善の余地が大きい

 

ってあたりが大きそう。つまり、この研究から得られる教訓としては、

 

  • ネガティブな人ほど他人への親切で得られるメリットがデカい!

 

ってことでしょうか。不安傾向が強いとつい他人を避けがちになりますが、無理をしてでも親切な行動を取ったほうがいいんだ、と。

 

 

ちなみに、過去のデータでも「親切で長生きに」や「親切でモチベーションアップ」みたいな知見もありますし、「親切は最強のライフハックだ!」ぐらいに思っとくといいんじゃないでしょうか。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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