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学習法の統一王者、それは「検索練習」

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学習法の統一王者「検索練習」 

世の中にはいろんな勉強法がありますが、なんだかんだで科学的に最強と言われるのが「検索練習」であります。

 

 

耳慣れない言葉かもしれませんが、ざっくり言うと「がんばって思い出す」要素が入った学習法のことです。たとえば、

 

  • フラッシュカード
  • テキストの暗唱
  • 模擬テスト
  • クイズ

 

とか、こういうのはすべて「検索練習」。とにかく「思い出そうとする」時間が大事なんですな。

 

 

なにせ、多くのメタ分析でも効果が実証 (1,2,3)されてる方法ですんで、ほかの小難しい勉強法を使うなら、とにかく「検索練習」も専念したほうがいいはず。ちなみに、私が毎日セコセコとブログを書いているのも、検索練習の一貫だったりします。

  



 

人間の記憶はストレスにめっぽう弱い

で、今度はタフツ大学から「検索練習」の論文(4)が出てまして、これがまた最強伝説に拍車をかける内容になっておりました。

 

 

この実験がおもしろいのは、記憶力とストレスの問題に焦点をしぼったところ。研究者いわく、

 

ストレスを受けた人は、記憶から情報を取り出す能力が低下する。しかし、今回の実験により、「検索練習」のように正しい学習法さえ実践すれば、かなりストレスの負荷が高い状況でも、ちゃんと記憶へのアクセスが可能になることがわかった。

 

とのこと。どんだけ勉強しても、本番のストレスで記憶がふっ飛んじゃうことがありますが、あの現象にも「検索練習」は効くんだ、と。

 

 

検索練習VS.再チェック

実験の対象は120人の学生で、みんなに30個の単語と30の画像を記憶してもらったらしい。その際に、参加者を2つのグループにわけまして、

 

  • 検索練習グループ=単語と画像をノートに写して、自分でテストしてもらう
  • 再チェックグループ=同じ単語と画像を何度も見返す

 

そのうえで、さらに翌日に参加者をさらに半分にしたんですね。

 

  • 高ストレスグループ=審査員の前で記憶した内容をチェックされる
  • 低ストレスグループ=記憶した内容を紙に書いて提出

 

で、どんな結果が出たかと言いますと、

 

  • 検索練習を使うと、ただの再チェックより50%ほど記憶の定着率が上がる
  • 検索練習+高ストレスと、再チェック+低ストレスの成績はほぼ同じぐらい

 

みたいな感じ。検索練習を使っておけば、高ストレスのダメージをかなりやわらげられるみたいっすね。

 

 

まとめ

研究者いわく、

 

過去の研究データでも、検索練習がベストな学習法のひとつなことはわかっていた。しかし、それでも今回の結果には驚きだ。高ストレス化の状況でも、複雑な情報を思い出すことができたのだから。

 

とのこと。プレッシャーに弱い方などは、あらかじめ徹底的に「検索練習」を繰り返しておくと、本番のストレスにも打ち勝てそうですなー。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。