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ハーバード大「初対面で相手の希望に合わせにいくと失敗するぞ!」

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相手の期待に合わせたコミュニケーションって本当に正しいの?

仕事や人脈作りの場で初めての相手と話す場合、できるだけ良い印象をあたえようとして、先方の期待を推測したり、向こうの興味に合わせにいったりするケースは多め。わたしも、初対面の場では「なにを期待してんのかな…」とつい考えてしまう性格であります。

 

 

が、近ごろハーバード大が、「相手に合わせる戦略って本当に上手くいくの?」ってあたりを実験(1)したそうで、これがおもしろいんですな、

 

 

著者はハーバード・ビジネス・スクールのフランシス・ジーノ博士で、「正しい人脈作りの方法は?」みたいなテーマにくわしい方。前に紹介した「仕事のための人脈作りはメンタルヘルスを損なう」って研究も、ジーノ博士の論文ですね。

 

 



相手の要望に合わせにいった起業家は失敗しがち

実験は2パターンありまして、ひとつめが現実の起業家たちを対象にしたもの。実際に投資家との商談の状況をチェックしたところ、

 

  • 相手の要望に合わせにいった起業家は失敗率が上がりがち
  • 自分の要望を貫いた起業家は成績が改善しがち

 

って傾向があったそうな。相手に合わせるよりも、素の自分で対応したほうがいいんだ、と。

 

 

面接官の期待に合わせにいった学生も失敗しがち

さらに、もうひとつの実験は研究室で行われたもので、学生たちに就職面接のシーンを演じてもらったらしい。その際に、

 

  1. 面接官の期待に合わせるパターン
  2. 面接官に素の対応をしていくパターン

 

で検証したところ、やっぱり結果は素の対応のほうが優勢。面接官の期待に合わせたほうが印象が悪く、採用率も下がっちゃったみたい。

 

 

こういった事態になっちゃう理由としては、

 

  1. 相手の期待に合わせようとする 
  2. でも、相手の情報が少ないので不安になる 
  3. パフォーマンスが下がって説得力も低下

 

みたいな流れらしい。これはビジネスに特化した調査ですけど、どんな場面でも当てはまりそうな話ですな。

 

 

シンプルに素の自分でいるのが良い解決策

ジーノ博士いわく、

 

対人コミュニケーションにともなう不安と不確実性に対処するには、シンプルに素の自分でいるのが良い解決策だ。

 

とのこと。といっても、こちらに下心があったりすると、つい相手の期待に沿うように行動しがちなんですけどね…。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。