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モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲第3番」を20分聞くと脳の機能が上がるかも

Mozart

 音楽で頭が良くなる!って説は昔からありますが、今度は「クラシックを聞くと学習や記憶に関する遺伝子のスイッチが入る!」ってデータが出ておりました(1)。



これはヘルシンキ大学の実験で、48人に被験者にモーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216」を20分ほど聞いてもらったんですね。


その後、全員の血液サンプルをとったところ、シナプスの神経伝達スピードとドーパミンの分泌をコントロールする遺伝子が活性化してたそうな。 どちらも、記憶と学習の向上には欠かせない要素であります。


研究者いわく、

脳スキャンを使った研究により、音楽がヒトの脳の構造や機能を変えることはわかっている。しかし、その分子レベルのメカニズムまでは不明のままだ。ゲノム科学と生物情報学の手法により、音楽の影響をより詳細に調べることが可能となった。

とのこと。ただし、この効果は音楽にくわしい人にだけ現れたそうで、

遺伝子の発現は、音楽的な素養が深い被験者にのみ見られた。クラシックで良い影響を得るには、 音楽への親しみが深いか、楽器を経験している必要があるのかもしれない。

はなっから音楽に興味のない人には、あまり意味がない模様です。


もっとも、一方で2013年の実験(2)では、確かにモーツァルトで脳の認知機能は上がったものの、その効果は15分しか続かないってデータも出てまして、どう考えていいのかは難しいところ。結局は、好きな音楽を好きなだけ聞けばいいっていう、ごく普通の結論に落ち着きそうな気もしますが。


credit: Royal Opera House Covent Garden via FindCC
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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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