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内向的な人と外向的な人に対する6つのよくある誤解


最近知ったんですが、ローリー・ヘルゴーの「Introvert Power」の邦訳が出てたんですね。邦題は「内向的な人こそ強い人」。

 





原著はスーザン・ケインの「内向型人間の時代」より前に出たもので、内向的な人たちから「内向のためのバガヴァッド・ギーター」とまで呼ばれた一冊であります(笑)。「内向型人間の時代」とくらべて科学的な検証が多いので、理屈が好きな方はこちらを読んでみるといいかも。


と、これだけで終わるのも寂しいので、本書から「内向と外向に対するありがちな間違い」をざっくりまとめてご紹介。

1・内向人間はシャイ

物静かなせいで誤解されがちですが、実は内向とシャイは無関係。著者いわく、「内向人間はしゃべる前によく考える傾向があるため、シャイに見えるだけ」とのこと。スーザン・ケインも、「シャイは社会的な拒絶への恐れが生み出すもので、過度な外的刺激を避ける内向人間とは違う」と言ってましたね。

2・内向人間はスピーチが下手

いかにも外向人間のほうが人前で上手くしゃべりそうですが、実は内向人間にもスピーチ上手は多い。内向型は本番前に入念な準備を重ねる傾向が高く、結果としてよいスピーチを行う確率が高いらしい。実際、有名なコメディアンには極度の内向型が多いそうで、日本でいう「人見知り芸人」と同じようなもんですね。

3・外向型は幸せで、内向型は不幸せ

これもメディアでよく聞く話ですが、実は外向型と内向型は幸せの感じ方が違うだけ。外向は刺激の多いテンションが高い幸福を望むが、内向型は刺激に弱いので、より穏やかでリラックスできる娯楽を選ぶ。内向人間が静かに楽しんでいる姿が、周囲からは悩んで見えたりするのが誤解の原因らしい。

4・人は外向と内向にハッキリ分かれる

外向と内向は連続した概念なので、当然ながら外向と内向の真ん中あたりに位置する人も存在する。 「外向的な性格な人ほど実は商売がヘタという話」でも書きましたが、ちょうど中間あたりの性格は両向型と呼ばれまして、わりと外向と内向のいいとこどりができるナイスなキャラクター。

5・外向型は人の話を聞かない

物静かな内向型のほうが人の話を聞くのが上手い印象もありますけど、これもありがちな誤解。外向人間は開放型の質問(「仕事は上手くいった?」ではなく「仕事はどう?」と聞くような感じ)とパラフレーズの技法(相手が「楽しかった」と答えたら、「順調なんだね」と言い換えて返す話術)を使うことが多く、自然と話が弾む傾向があるみたい。これは、内向型のわたしとしては取り入れていきたいところ。

6・外向型は底が浅い

テンション高めの人を見ると、ついつい薄っぺらい印象を持つことがありますが、もちろんこれは大きな誤解。自分の頭のなかで熟考するのが好きな内向型と違って、外向型は他者とのコミュニケーションのなかで情報を処理していくので、最終的な知識や発想レベルに差は出ないとのこと。あくまで情報処理のスタイルが違うだけなんですね。


credit: AmirHossein HonarDust via FindCC


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。