このブログを検索

パレオダイエットで納豆は食べてもいいのか?


パレオダイエットでは豆がダメだっていうけど納豆はどうなの?」ってご質問メールをいただきましたんで、思うところをちょこっと。


海外のガチなパレオダイエッターの間では「納豆も豆だからダメ」派がいたりしますが、わたしは「別にいいんじゃない?」派。


というのも、そもそもパレオダイエットで豆が禁じられているのは、


  1. フィチン酸がミネラルの吸収をブロックする:豆類にふくまれるフィチン酸が亜鉛や鉄の不足を引き起こすと、肌や髪の毛の成長をさまたげる可能性が大。なので特に女性にはオススメできず。ちなみに、一般的には健康にいいといわれるナッツ類もフィチン酸が多いので、あんまり食べ過ぎるとミネラルが足りなくなったりしちゃう。わたしも一時期アーモンドの食べ過ぎで亜鉛不足だと診断されたことがありました。
  2. ビタミンB12の不足を引き起こす:マウス実験では、大豆の消費が多いほどビタミンB12が足りなくなることが知られております。鉄不足とならんで貧血や睡眠障害の原因になるので、これも積極的に避けたいところ。
  3. 大豆レシチンがアレルギーを起こす:これは大豆アレルギーじゃない人にはそこまで深刻じゃない話。ただし、遅発性の大豆アレルギーにかかっている人も結構いるので、それと知らずに食べるとさまざまな炎症の原因になるので注意が必要。


といった点が問題視されているから。特にミネラルの吸収をさまたげるところが、一番の難点とされております。


が、納豆は上記の問題がほぼ解決された食材なんですな。フィチン酸は消えているし、大豆のときは存在しなかったビタミン12もふくまれちゃう。さらに、骨の成長に必須のビタミンK2が豊富なオマケつき。


あえて言えば、イソフラボンのとりすぎが甲状腺の機能を下げる働きがあるのが心配ですが、厚労省の基準では上限値が70〜75mg/日ってことなんで、まぁ1日に1パックまでなら問題なし。一部の研究では、1日に38mgのイソフラボンで疲労や体重の増加が起きたってデータもありますけど、これでも納豆1パックなら安全レベルでしょう。


そんなわけで、やや心配な面がありつつも、納豆にはそれ以上のご利益が多いので、別に食卓からは排除しなくてもよいかと思っております。



スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM